悪臭苦情とは・・・

「悪臭」とは、いやなにおい、不快なにおいの総称であり、現在、国内における悪臭に対する苦情件数は年間約1万件あり、典型7公害に対する苦情の約24%(平成8年度)を占めています。
悪臭は、騒音や振動と同じく、人間の嗅覚に直接訴える感覚的な公害であるため、健康への影響よりむしろ、住民の快適な生活環境を損なうことが問題となる性質を持っています。
嗅覚を通して得られるにおいの特性として、質、強度、認容性(快・不快度)、広播性が知られており、臭気を考える場合は、これらの特性の他に、発生源と影響範囲、感覚量などの問題も考慮していかなければなりません。

悪臭苦情への取り組み

ある臭気が苦情となって訴えられる要因は、その臭気の感知回数(認知頻度)と継続時間であり、それが引き金になり、臭気の強度の変化や人間の感情、時には利害などが関与し表面化する場合が多くなっています。悪臭苦情は住民の環境に対するニーズや産業構造の変革を受け、以前のような産業公害・畜産農業の苦情から、浄化槽やサービス業等の都市型苦情へと変化してきています。今後の臭気対策は従来の産業公害・畜産農業に係る悪臭問題の解決に取り組むと共に、都市・生活型の悪臭防止に向けての取り組みも重要になってきているといえます。
また、悪臭防止法に新たに国民の責務(日常生活において悪臭を発生させないよう努め、生活環境の保全に協力すること)が規定されたことからも分かるように、今後は住民自らが悪臭発生原因者となる状況の自覚を促すとともに、住民、事業者等が連携し悪臭問題へ取り組んでいく事が必要になってきています。

臭気指数導入の背景

悪臭防止法制定当時から機器分析法による物質毎の排出濃度の把握によりある程度の規制効果をあげてきましたが、複合臭による苦情は臭気が一般的に低濃度、多成分であり機器分析では十分な効果が見込まれないという実態もありました。そのようなことから、複合臭を総体として評価出来て、また、より悪臭の被害感と一致する測定法として平成7年に嗅覚測定法(三点比較式臭袋法、三点比較式フラスコ法)が導入されました。

嗅覚測定法(三点比較式臭袋法)

3個の袋のうち、2個の袋には無臭空気を入れ、残りの1個には所定の希釈倍数に希釈したサンプルを入れます。パネルはこの3個の袋のにおいを嗅いで、においがあると思われる袋の番号を回答します。この濃度で正解した場合はさらに希釈をしていき、順次同様にパネルが不正解になるまでテストを繰り返していきます。そうして、においがしなくなった時点の希釈倍数を求めます。このような人間の嗅覚を用いて臭気の程度を測定する方法を嗅覚測定法といいます。