環境基準の評価方法について

環境基準は大気、水質、土壌、騒音等々いろいろと定められていますが、
その中で大気汚染に係る環境基準、公共用水域におけるBOD,CODの評価方法についてまとめてみました。

1.大気汚染に係る環境基準の評価方法について

大気汚染の状態を環境基準に照らして評価する方法には、
大きく分けて短期的評価と長期的評価の二通りの方法があります。
短期的評価とは、測定を行った日または時間について環境基準と照らし合わせ、
その基準を満足しているかどうかで判断します。
しかし、大気汚染対策の効果などを的確に判断するためには、
年間にわたる測定結果を観察したうえで評価を行うこと(長期的評価)が必要となります。
長期的評価の方法は、二酸化硫黄、光化学オキシダント、浮遊粒子状物質の3物質と二酸化窒素では
少し異なっており、以下に簡単に紹介します。

●二酸化硫黄などの3物質について
二酸化硫黄などの3物質の場合は、まず、年間にわたる1日平均値を濃度の高い順に並べ替え、
高い方から2%分を除外します。そして残った日の値を環境基準と比べて評価を行います。
例えば、365日分の測定値があるときは、高い方から7日分目までを除いて、残りの358日で評価します。
●二酸化窒素について
二酸化窒素の場合は、年間にわたる1日平均値を低い方から順番に並べ替えます。
ここで並べ替えられた平均値を低い方から数えていって、全体の98%目にあたる値(年間98%値)を
環境基準と比べて、年間全体の評価を行います。

(参照条文)
・大気汚染に係る環境基準ついて(昭和48年6月12日環大企第143号)
・二酸化窒素に係る環境基準の改定について(昭和53年7月17日環大企第262号)

2.公共用水域におけるBOD,CODの評価方法

水質汚濁の程度を表す指標として、BOD(生物化学的酸素要求量),COD(化学的酸素要求量)という
数値があります。BODは微生物が水中の有機物を分解するのに必要とする酸素の量のことで、
この値が大きいと有機物が多い → 汚れがひどい、ということになります。一方、CODは
酸化剤(簡単にいうと薬品)を用いて水中の有機物を分解するのに必要とする酸素の量で、
値の大小の意味はBODと同じです。河川ではBODが、湖沼,海域ではCODがそれぞれ
水質汚濁の程度を表す指標として用いられます。湖沼,海域においてBODではなくCODが用いられるのは、
湖沼などの停滞性(流れがない)水域においては、微生物が酸素を消費して有機物を分解するのに
多くの時間がかかるため、BODは指標として適切ではないと判断されるからです。

公共用水域には「環境基準の類型指定」というランク分けがあり、それそれのランクに応じて、
BOD(COD)の基準値が定められています。評価は、年間を通じた日間平均値の全データについて
「75%値」を基準値と比較して行います。75%値というのは、年間の日間平均値の全データを
値の小さいものから順に並べたときに、0.75×n番目(nは日間平均値のデータ数)にくるデータをいいます。
平均値や最大値ではなく、75%値を用いるのは、次の理由によります。

水質は、公共用水域が通常の状態(河川にあっては低水量以上の流量、湖沼にあっては
低水位以上の水位)にあるときに測定することになっており、測定されたデータが通常の状態以外のもとで
測定されたデータを除き、すべて環境基準値を満足することをもって環境基準が達成されたとみなされます。
しかし、通常の状態か否かの把握は非常に困難であるため、運用上、年間データのうち75%以上の
データが環境基準値を満足することをもって環境基準に適合しているとみなすことにしています。
(昭和52年7月1日環水管第52号より抜粋)