酸性雪について 【コラム】

 新潟県をはじめとする日本海側は世界でも有数の豪雪地帯であり、冬季には大陸からの寒冷な季節風が
日本海上で多量の水蒸気を得て多湿となり、雪雲が生成することはよく知られています。
雪の生成にあたっては、日本海からの海塩粒子のほかに、冬季の北西季節風によって中国大陸から運ばれてくる
微粒子なども氷核となっていると考えられています。

 日本海側の多くの地域で冬季にpHの低い酸性の降水が観測されていますが、
近年の中国における経済成長に伴い、工場地帯から発生する大気汚染物質がこのような酸性雪の原因に
なっているのではないかと指摘されています。また、降雪中の酸性物質は積雪として多量に蓄積されるため、
春先の融雪期に急激に流出して河川や湖沼の生物に悪影響を及ぼすことも心配されています。

 このように、欧米で以前から環境問題となっていた酸性雨・雪が、アジア地域でも環境問題として
深刻化する可能性が生じており、実態把握のために日本を含む各国政府が
「東アジア酸性雨モニタリングネットワーク」を設立して、長期の定期モニタリングを開始しつつあります。