排ガス中のダイオキシン類の採取(サンプリング)

1.はじめに
 ダイオキシン類が人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある物質であることから、環境の汚染の防止及びその除去をするため、「ダイオキシン類対策特別措置法」で各規準を定めると共に、国民の健康保護を図っています。
 ダイオキシン類測定は、複雑かつ高度な技術を要するごく微量測定です。
 当センターでは、測定精度及び測定結果の信頼性確保に努めると共に、お客様のニーズに合わせたご提案を行っています。

2.採取方法
 試料排ガスは「JIS K 0311:排ガス中のダイオキシン類の測定方法」に従って採取します。試料ガスの採取装置は、採取管部、捕集部(フィルタ・液体・吸着剤)、連結部、吸引ポンプ及び流量測定部で構成されています。
 付属書1試料ガス採取装置で規定されている3種類のうち、当センターではJIS Ⅰ形装置とJIS Ⅱ形装置に対応しています。
 各採取装置の概要を以下に示します。

①JIS Ⅰ形採取装置
 排ガスを等速吸引して、排ガス中のダイオキシン類をフィルタによるろ過捕集、吸収瓶による液体捕集及び吸着カラムによる吸着捕集を行います。また、採取中は連続計(自動計測器)で一酸化炭素や酸素を、熱電対で排ガス温度を連続計測します。
 本装置は、あらゆる排ガスに適用可能です。

②JIS Ⅱ形採取装置
 対象の排ガスは、一般及び産業廃棄物焼却炉の排ガスで、水分量36%以下、一酸化炭素濃度が平均実測濃度で670ppm以下の排ガスです。
 排ガスを等速吸引して、排ガス中のダイオキシン類をフィルタによるろ過捕集した後、アルミナ系の吸着剤を特殊加工して成形した円筒フィルタ状の吸着剤によって吸着捕集を行います。また、Ⅰ形と同様に採取中は、連続計(自動計測器)で一酸化炭素や酸素を、熱電対で排ガス温度を連続計測します。
 円筒フィルタ状の吸着剤は、ダイオアナフィルタとして市販されています。

3.排ガスの排出基準
 「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づく、排ガスの特定施設及び排出基準値を以下に示します。(出典:環境省 ダイオキシン類対策特別措置法)

(単位:ng-TEQ/㎥N)
特定施設種類 施設規模
(焼却能力)
新設施設基準 既設施設基準
廃棄物焼却炉
(火床面積が0.5㎡以上、又は焼却能力が50kg/h以上)
4t/h以上 0.1 1
2~4t/h 1 5
2t/h未満 5 10
製鋼用電気炉(変圧器の定格容量が1,000kVA以上) 0.5 5
焼結鉱(銑鉄の製造の用に供するものに限る)の製造の用に供する焼結炉(原料の処理能力が1t/h以上) 0.1 1
亜鉛の回収(製鋼の用に供する電気炉から発生するばいじんであって、集じん機により集められたものからの亜鉛の回収に限る)の用に供する焙焼炉、焼結炉、溶鉱炉、溶解炉、乾燥炉
(原料の処理能力が0.5t/h以上)
1 10
アルミニウム合金の製造(原料としてアルミニウムくず(当該アルミニウム合金の製造を行う工場内のアルミニウムの圧延工程において生じたものを除く)を使用するものに限る)の用に供する焙焼炉、溶解炉、乾燥炉(焙焼炉、乾燥炉:原料の処理能力が0.5t/h以上、溶解炉:容量が1t以上) 1 5

注:既に大気汚染防止法において新設の指定物質抑制基準が適用されていた廃棄物焼却炉(火格子面積が2㎡以上、又は焼却能力200kg/h以上)及び製鋼用電気炉については、上表の新設施設の排出基準が適用されている。

4. その他
 採取方法や分析等について、ご気軽にご相談ください。