猛禽類調査

猛禽類とは

 猛禽類とは生態系の食物連鎖のピラミッドの頂点に位置する肉食動物であるため、環境改変や環境汚染等の影響を受けやすく国内外を問わず多くの種が減少傾向にあると推定され、絶滅の危機に瀕している種も少なくない。国内で繁殖する種については、全国的な分布状況や個体数がおおよそ把握されている種がいくつかある程度であり、生息実態や生活史に至るまで十分解明されている種はごくわずかしかない。
 「猛禽類保護の進め方(改訂版)」(環境省2012年12月)から抜粋
 
 いわゆるワシタカの仲間でタカ目、フクロウ目、ハヤブサ目の鳥類です。

上越地域の猛禽類

 「上越地方のワシタカ類について」として山本明、鷲沢澄雄、古川弘により1989年11月新潟県生態研究会誌第4号に報告があります。
 近年は環境アセス等の調査により調べられていますが、結果は公にされておりません。当上越環境科学センターでも上越地域を中心に猛禽類調査を請け負っており、特にクマタカ、イヌワシについては複数の営巣地を把握しているほか、当職員の自主調査等によりミサゴ、ハチクマ、ハイタカ、オオタカ、サシバ等の調査を行っております。

お願い

 多くの猛禽類は非常に神経質です。特に繁殖期には顕著になります。営巣期に不要に営巣地に近づくと営巣の放棄や生息地の放棄につながる恐れが非常に高くなります。鳥類を専門とするカメラマンやバードウォッチャーの皆様におかれましては、繁殖時期に営巣地に近づくことや営巣地情報の取扱いには十分注意してください。
 また、上越地域の猛禽類が生息している可能性が高い地域で工事を行われる際はご助言を差し上げられる可能性がございますのでご一報いただければ幸いです。
 なお、当センターでは直接的な調査圧を避けることはもとより、間接的な調査圧(猛禽類調査実施現場を目視されることにより第三者に希少猛禽類生息情報を与えてしまうこと)低減にも努めております。

上越地域で繁殖する希少猛禽類について

●ミサゴ
 基本的に留鳥だが積雪期には確認が減少する。
 海岸に近い赤松等に営巣するが、3年前後で営巣地を変えることが多い。
 送電線鉄塔への営巣事例も有る。
 河口部での採餌をすることが多い。
  上越地域では海岸から7km以内に営巣する。 

●ハチクマ
 夏鳥。
 多数の営巣を確認しているが、安定した営巣地と安定しない営巣地がある。

●ハイタカ
 繁殖個体が非繁殖期にも営巣地周辺にとどまっているかは不明。
 上越地域での繁殖事例は少ないが近年複数個所で確認。

●オオタカ
 繁殖個体が非繁殖期にも営巣地周辺にとどまっているかは不明。
 上越地域での繁殖事例は極少ない。新潟県内では下越の海岸付近で営巣事例が多数有る。

●サシバ
 夏鳥。
 多数の営巣を確認しているが、安定した営巣地と安定しない営巣地がある。また、いわゆる里山でない環境での営巣事例も有る。

●イヌワシ
 留鳥。
 上越地域で10番の営巣を確認している。

●クマタカ
 留鳥。
 上越地域では8番の営巣を確認している。ただし、実際の繁殖個体はもう少し多いと思われる。特に東頸城山地では当方の調査不足もあり、今後営巣地の確認箇所を増やしていきたい。

●ハヤブサ
 繁殖個体が非繁殖期にも営巣地周辺にとどまっているかは不明。
 上越地域では2番の営巣を確認している。ただし、実際の繁殖個体はもう少し多いと思われる。