アスベスト(⽯綿)分析
アスベスト(⽯綿)分析
▼建材製品中のアスベスト含有率測定 ▼空気中の⽯綿繊維計数分析
建材製品中のアスベスト含有率測定
1.はじめに⽯綿(アスベスト)は、天然にできた鉱物繊維です。熱に強く、摩擦に強く切れにくい、酸やアルカリにも強いなど、丈夫で変化しにくいという特性を持っています。また、⽯綿の危険性は、丈夫で変化しにくいため、吸い込んで肺の中に⼊ると組織に刺さり、⻑い潜伏期間を経て、肺線維(じん肺)、悪性中⽪腫の原因、肺がんなどの病気を引き起こす恐れがあることです。
⽯綿の⽤途は、⽯綿⼯業製品と建材製品が⼤半です。昭和30年ころから使われ始め、ビルの⾼層化や鉄⾻構造化に伴い、鉄⾻造建築物などの軽量耐⽕被覆材として昭和40年代の⾼度成⻑期に多く使われています。
(出典︓「私たちの環境とアスベスト」環境省を⼀部改変)
2.⽯綿(アスベスト)の調査⽅法の概要2.1 建材中の⽯綿含有量調査
(1)調査フロー
建材中の⽯綿含有量調査は、書⾯調査を⾏い、含有が不明な場合は当該建材試料を採取して、含有の有無を確認します。
調査フローを図1に⽰します。
図1 調査フロー (出典︓⽯綿含有建材の⽯綿含有率測定に係る講習会テキスト)
当センターでは、書⾯調査や現場調査は、①建築物⽯綿含有建材調査者、②アスベスト診断⼠、③⽯綿作業主任者等の有資格者が担当いたします。
(2)試料採取
書⾯調査で「⽯綿含有が不明」であった場合は、現場を確認し、試料採取・分析を実施して、⽯綿含有の有無を判断します。
建築物で⽯綿を含む可能性のあるものとしては、吹付け材、天井材や外壁サイディング、スレート板等の成型板、煙突⽤セメント管、フェルト状断熱材、床⽤タイル、外壁⽤仕上塗材等があります。また、ボイラー、タービン、化学プラント、焼却施設等の⼯作物で⽯綿を含む可能性のあるものとしては、本体や配管の保温材、配管と配管のつなぎ⽬のシール材、熱によるダクト伸縮を緩和するための伸縮継ぎ⼿等があります。上記のような⽯綿を含む可能性のある施⼯範囲から試料を採取します(写真1)。
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写真1 試料採取の様子
建材中の⽯綿含有量調査
・定性分析⽅法(JIS A 1481-1,2)
当センターでは、定性分析⽅法として「JIS A 1481-1 偏光顕微鏡法」、
「JIS A 1481-2 X線回折分析・位相差分散顕微鏡法」を実施しています(写真2,3,4)。
・定量分析⽅法(JIS A 1481-3)
当センターでは、定量分析⽅法として
「JIS A 1481-3 X線回折分析法」を実施しています。
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写真2 位相差分散顕微鏡
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写真3 X線回折分析装置
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写真4 ⾛査電⼦顕微鏡
空気中の⽯綿繊維計数分析
2.2 空気中の⽯綿粉塵濃度測定
⽯綿含有建材の除去等の対策⼯事を実施する場合に、作業⼯程に合わせて空気中の遷移数濃度を把握することが望まれます。
- ⽯綿含有建材の除去等の対策工事
- 空気中の⽯綿粉じんの計数分析
- ⽯綿の漏洩飛散の有無の確認
ポンプで空気を吸引してフィルターに付着した⽯綿繊維の本数を、位相差分散顕微鏡等を使⽤し計数します。当センターでは、JIS K 3850-1「空気中の繊維状粒⼦濃度測定 第⼀部」やアスベストモニタリングマニュアル(環境省)に基づいて空気中の⽯綿粉じん濃度測定を実施しています。
空気中の⽯綿粉じん濃度測定
・繊維状粒⼦濃度測定(JIS K 3850-1)
当センターでは、計数分析に「位相差顕微鏡法」、「位相差分散顕微鏡法」、「⾛査電⼦顕微鏡法」を使⽤しています。また複数の分析⽅法を組み合わせることで⽯綿繊維(アスベスト)の有無を確認しています。
当センターでは、事前調査から分析まで⼀貫して実施でき、細やかな対応が可能です。ご気軽にご相談ください。