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電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM、アナライザー付)

原理および構成

電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)は試料の表面を見る装置です。
細い電子線(電子プローブ)を試料に照射すると、試料表面から種々の電子(二次電子、反射電子など)やX線などが放出されます。これらの電子やX線を専用の検出器で検出することで、表面分析や元素分析を行うことができます。

当センターのFE-SEMは電子プローブを作るための電子工学系、試料を載せるための試料ステージ、二次電子を検出するための二次電子検出器、反射電子を検出するための反射電子検出器、特性X線のエネルギーを測定することで元素分析を行うエネルギー分散形X線分光器(EDS)、特性X線の波長を測定することで元素分析を行なう波長分散型X線分光器(WDS)、画像を表示するための表示装置、種々の操作を行うための操作系から構成されています。
電子工学系は電子プローブを作るための電界放出電子銃(FE電子銃)、集束レンズ、対物レンズと、電子プローブを走査するための走査コイルなどで構成されています。なお、電子工学系及び試料周囲の空間は真空になっています。

  • 電界放出形走査電子顕微鏡

特 徴

  • 表面分析
    試料の表面から放出される二次電子を検出することで、試料表面の凹凸を観察することができます。 また、反射電子を検出することにより、試料表面の元素組成の違いを見ることができます。 なお、当センターのFE-SEMはFE電子銃を搭載しており、分解能に優れ、高倍率での形態観察が可能です。
  • 元素分析
    試料表面から放出されるX線は元素に特有のエネルギーを持っており、特性X線と呼ばれます。この特性X線をEDSまたはWDSによって検出することにより、元素分析を行なうことができます。EDSの特徴はB~UまでのX線を同時に測定できること、少ないプローブ電流での測定が可能なこと、比較的短時間でスペクトルが得られることなどが挙げられます。また、WDSは波長分解能が良いこと、微量濃度の元素が検出できることなどが特徴です。
  • 断面試料作製装置(CP)を用いた断面分析
    FE-SEMで試料の断面を観察する場合、CPを用いて試料の断面を加工します。CPはエネルギーを持ったAr+イオンを試料に照射すると試料の構成原子が試料外にはじき出される現象(スパッタリング)を利用しています。CPは機会研磨に比べて非常に滑らかな断面を作製することができます。

当センターでは、これらの装置の特徴を活用し、幅広いご依頼に対応しています。 なお、FE-SEMは、真空中で変化しない試料(金属、プラスチックなど)は測定可能ですが、 ガスを発生する試料、水分を含む試料、液体試料は測定することができません。

  • 機械研磨による断面

    機械研磨による断面

  • CPによる断面

    CPによる断面

当センターでの主な分析試料例

ごみ質・廃タイヤ・石炭・豆炭・軽油・重油